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社会保険労務士・行政書士 今井まさみ事務所

労務・社会保険Q&AReference

自動車運転業務の「2024年問題」について(労働基準法への対応)

2024年4月から、自動車運転の業務にも時間外労働の上限規制が始まると聞いています。この上限規制が我々廃棄物の収集運搬業務にどのように影響してくるのか、その内容と具体的な対応などについて教えて下さい。(労働基準法への対応)

1 労働基準法(以下「労基法」という。)の時間外労働上限規制への対応

(1)時間外労働上限規制(2019年4月1日施行)の内容 000468285.pdf (mhlw.go.jp)

<厚生労働省:「36協定の適正な締結」より(図1)>

自動車運転の業務は、上限規制の適用が5年間猶予されている。(図1右欄内記載)

・現行の自動車運転業務の36協定届様式は「様式第9号の4」(猶予業種用)を使用

・適用猶予事業・業務以外の36協定届様式は「様式第9号」(一般条項)、「様式第9号の2」(特別条項)を使用するが、猶予業種であっても当該様式での届出は可能

※ 36協定の特別条項は、臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合に締結。

適用する際には、「健康福祉確保措置」の実施と特別条項を発動する際の手続きとして、「労働者の過半数を代表する者への事前通知」に注意が必要

(参考)「36協定の手続きを怠り、特別条項付き36協定が無効となった事例」

滋賀・彦根労働基準監督署は、労働者4人に36協定の限度時間を超えて月100時間以上の時間外労働をさせたとして、電子部品の製造請負業を営む㈱S社(滋賀県長浜市)と同社営業所長を労働基準法第32条(労働時間)と第36条(時間外、休日労働)違反の疑いで大津地検に書類送検した。同社は特別条項付の36協定を締結していたが、協定上の「限度時間を超えて労働させる場合における手続」として定めた「労働者代表者に対する事前通知」を怠っていたため、月99時間までの時間外労働と休日労働を可能とする特別条項は無効の状態だった。同社は令和4年6月に、労働者4人に対して月100時間以上の違法な時間外労働を行わせた疑い。過去にも同様の違反がみられたが、監督指導では改善がみられず、送検に至った。(2023.6.22労働新聞ニュースより抜粋)

(2)自動車運転業務への時間外労働上限規制の適用

①いつから適用されるのか?

2024年4月1日以降の36協定期間の起算日から適用

届出済の36協定届は、届出している36協定届の起算日

(例:起算日3月1日⇒2025年3月1日から適用)

新規届出の36協定届は、2024年4月1日以降に届け出た36協定届の起算日

②対象となる自動車運転者は?

労働基準法第9条で規定する労働者で「四輪以上の自動車の運転の業務に主として従事する者」(令和4年12月23日厚生労働省「基発1223第3号」通達)が対象者

⇒ 実態として物品又は人を運搬するために自動車(緑ナンバー・白ナンバーを問わない)を運転する時間が、現に労働時間の半分を超えており、かつ、当該業務に従事する時間が年間総労働時間の半分を超えることが見込まれる場合には、「自動車の運転に主として従事する者」に該当する。該当しない場合は、運転職でも上記図1の時間外労働上限規制が適用される。

③上限規制の内容は?

・原則の上限時間     時間外労働 月45時間以内、年360時間以内

(1年単位変形労働時間制:月42時間以内、年間320時間以内)

・特別条項の上限時間   時間外労働 年960時間以内(休日労働は除く)

 ※別途月間の上限時間等を設定し、特別条項付き36協定届で届出をした場合は、労働基準法上の規制対象の上限時間となる。

④36協定届様式は?

2024年4月以降は、「様式第9号の3の4(一般条項)」「様式第9号の3の5(特別条項)」を使用

⑤違反した場合は?

行政指導や企業名公表、罰金又は懲役の罰則(労基法第119条)適用のリスク

 

第14次労働災害防止計画について

今年度改定された国の第14次労働災害防止計画のポイントを教えて下さい。

1 国の労働災害防止計画とは

労働安全衛生法(第6条)に基づき、労働災害の防止に関し基本となる目標、重点課題等を厚生労働大臣が定める5か年計画。戦後の高度成長期における産業災害や職業性疾病の急増を踏まえ、1958年に第1次の計画が策定されて以降、社会経済の情勢や技術革新、働き方の変化等に対応しながら、これまで13次にわたり策定されてきました。今回の計画は令和5年(2023年)4月1日から令和10年(2028年)3月31日までの第14次の労働災害防止計画になります。

2 第14次労働災害防止計画の概要

(1)計画の方向性

①事業者の安全衛生対策の促進と社会的に評価される環境の整備を図っていく。そのために、厳しい経営環境等さまざまな事情があったとしても、安全衛生対策に取り組むこと

事業者の経営や人材確保・育成の観点からもプラスであることを周知する。

②転倒等の個別の安全衛生の課題に取り組んでいく。

③誠実に安全衛生に取り組まず、労働災害の発生を繰り返す事業者に対しては、厳正に対処する。

(2)重点対策

①自発的に安全衛生対策に取り組むための意識啓発(社会的に評価される環境整備ほか)

②労働者(中高年齢の女性を中心)の作業行動に起因する労働災害防止対策の推進

③高年齢労働者の労働災害防止対策の推進

④多様な働き方への対応や外国人労働者等の労働災害防止対策の推進

⑤個人事業主等に対する安全衛生対策の推進

⑥陸上貨物運送業、建設業、製造業等業種別の労働災害防止対策の推進

⑦労働者の健康確保対策の推進(メンタルヘルス、過重労働、産業保健活動)

⑧化学物質等による健康障害防止対策の推進

(3)死亡災害・死傷災害の指標

①死亡災害については、2022年度と比較して、2027年度までに5%以上減少する。

②死傷災害については、2021年度までの増加傾向に歯止めをかけ、死傷者数については、2022年度と比較して2027年度までに減少に転ずる。

(4)主な具体的取組例

①自発的に安全衛生対策に取り組むための意識啓発

  健康経営の実施⇒健康経営とは、従業員の健康増進を重視し、健康管理を経営課題として捉え、その実践を図ることで従業員の健康の維持・増進と会社の生産性向上を目指す経営手  法のこと。安全かつ安心して働くことができる職場づくりは、「コスト」ではなく「人的投資」という考え方

・労働者の安全と健康を守る。

・労働災害に伴う生産設備の停止や各種費用による経済的損失を回避(軽減)

・人材の確保・育成を始めとする組織の活性化、業績向上、(社会的)価値の向上

② 作業行動に起因する労働災害防止対策

 ア 転倒災害防止対策

転倒災害は、加齢による骨密度の低下が顕著な中高年齢の女性をはじめとして極めて高い発生率となっており、対策を講ずべきリスクであることを認識し、その取組を進める。

・転倒しにくい環境づくり

ハード面⇒段差の解消・見える化、通路や作業場所の床の水等の拭き取り、整理整頓の徹底等

ソフト面⇒転倒リスクチェックの実施とその結果を踏まえた運動プログラムの導入、骨粗しょう症検診の受診勧奨等

イ 腰痛災害防止対策

ハード面⇒リフターや自動搬送装置、重量物注意の警告表示等

ソフト面⇒作業に見合った始業前の腰痛予防体操の実施、身体の負担軽減のための技術の習得等

③高年齢労働者の労働災害防止対策

「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(エイジフレンドリーガイドライン)を踏まえた対策

エイジフレンドリーガイドラインとは、高齢者を現に使用している事業場やこれから使用する予定の事業場で、事業者と労働者に求められる取組を具体的に示したもの。

ア 経営トップ自ら安全衛生方針を表明し、担当組織・担当者を指定、リスクアセスメントの実施

イ 身体機能の低下を補う設備・装置の導入、高年齢労働者の特性を考慮した作業管理、勤務形態等の工夫

ウ 健康測定等により、事業者、高年齢労働者双方が健康や体力の状況を客観的に把握

エ 把握した状況に応じて適合する業務をマッチング、身体機能の維持向上への取組

オ 写真や映像等の情報を活用した安全衛生教育、経験のない業種や業務に従事する場合の丁寧な教育訓練

④ 労働者の健康確保対策

「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」(令和4年3月改訂)等の周知啓発を強化

「過重労働による健康障害を防止するため事業者が講ずべき措置」(平成 18 年 3 月17 日付基発第 0317008 号)に基づき、以下の措置を行う。

・ 時間外・休日労働時間の削減、労働時間の状況の把握、健康確保措置等

・年次有給休暇の確実な取得の促進

・勤務間インターバル制度の導入  等

ウ 産業保健総合支援センター及び地域産業保健センターを通じた、小規模事業場におけるメンタルヘルス対策の支援

⑤ 化学物質等による健康障害防止対策

ア 従来の個別規制に加えて、国によるGHS分類で危険・有害性が確認されたすべての化学物質について、危険性・有害性の伝達(譲渡・提供時のラベル表示・SDS表示)

イ 保護具の適正な選択及び使用の徹底

割増賃金について

Q 2023年4月1日より、中小企業への法定時間外労働60時間超の割増率が50%以上に引き上げられました。改めて、割増賃金の割増率や計算方法、端数処理について教えて下さい。

A 使用者が労働基準法(以下「労基法」という。)第33条又は第36条第1項の規定により、労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が、1箇月について60時間を超えた場合においては、通常の労働時間の賃金の計算額の5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。(労基法第37条)

1 時間外、休日及び深夜の割増賃金の割増率

(1)法定時間外労働……通常の賃金の25%以上(月の法定時間外労働が60時間を越えた場合、超えた時間以降50%以上)

(2)法定休日労働 ……通常の賃金の35%以上

(3)深夜労働(午後10時から翌日午前5時までの間の労働)……通常の賃金の25%以上(管理監督者も対象)

(4)法定時間外労働が深夜労働となった場合……通常の賃金の50%以上

(月の法定時間外労働が60時間を越えた場合の深夜労働は、超えた時間以降75%以上)

(5)法定休日労働が深夜労働となった場合……通常の賃金の60%以上

2 割増賃金の計算方法(労基法第37条、労基法施行規則第19条、20条、21条)

基準単価(1時間当たりの賃金額)×残業時間数×割増賃金率

基準単価とは、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額で、算定基礎は「基本給」+「各種手当」(通勤手当、家族手当、住宅手当など除外賃金あり)

(1)時給⇒当該金額

(2)日給⇒日給額÷1日の所定労働時間(異なる場合は1週間における1日の平均所定労働時間)

(3)月給⇒月給額÷月の所定労働時間(異なる場合は1年間における月平均所定労働時間)

月平均所定労働時間の求め方 ⇒ (365日―休日)×1日の所定労働時間

12月

3 残業時間と割増賃金の端数処理(昭和63年3月14日付通達)

労働時間の把握は分単位で行い、日ごとの端数処理はできない。ただし、以下の範囲であれば、賃金不払いの法違反として取り扱わないこととしている。(行政解釈)
(1)残業時間の端数処理

1か月における時間外労働、休日労働及び深夜労働の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数は切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること。

(2)割増賃金の端数処理

1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、50銭以上を1円に切り上げること。

(4)判例等における割増賃金の趣旨

残業をしたら割増賃金を払えばいい(支払い義務を果たせばいい)というのではなく、割増賃金は労働時間抑制のための制度で、割増率や罰則まで課して、労働時間の削減を

促す趣旨がある。

社会保険の適用拡大について

Q 社会保険の適用について、令和4年10月より短時間勤務労働者へ義務的適用が、事業所規模501人以上から101人以上に適用拡大されましたが、具体的な内容について教えて下さい。

A 社会保険の適用拡大について
1 社会保険への加入要件について
(1)加入が義務付けられている事業所(適用事業所)
① 法人の事業所(事業の種類を問わない)
② 常時5人以上の従業員を使用する一定の業種(飲食業・理容業・農林水産業など)を除く個人事業所
(2)対象労働者(被保険者)
① 適用事業所に常時使用される70歳未満の労働者
② 1週間の所定労働時間及び1ケ月の所定労働日数が、上記①の社員の4分の3以上であるパート・アルバイト等の短時間勤務の労働者

2 これまでの1(2)②以外の短時間勤務労働者への義務的適用
(1)従業員数501人以上の事業所で使用され、一定の条件を満たす人(2016年4月から)
(2)労使合意により、従業員数500人以下の事業所において、一定の条件を満たす人(2017年4月から)
3 年金制度改正法施行により、義務的適用となる短時間勤務労働者
(1)2022年10月からの適用拡大(①~⑤の要件を全て備える労働者)
① 従業員数101人~500人の事業所で使用されている人
・従業員数は社会保険の被保険者数
・直近12か月のうち6か月で100人を上回ったら適用対象
・法人は同一の法人番号を有する全事業所単位、個人事業主は個々の事業所単位
② 週の所定労働時間が20時間以上30時間未満で働いている人
・契約上の所定労働時間であり、臨時に生じた残業時間は含みません。
ただし、実労働時間が2か月連続で週20時間以上となり、なお引き続くと見
込まれる場合には、3ケ月目から社会保険への加入が必要となります。
③ 賃金月額が8.8万円以上で働く人
・月額賃金は基本給や諸手当を指します。(残業代・賞与・臨時的な賃金、通勤
手当・精皆勤手当等は含まれません。)
④ 2ケ月を超える雇用見込みがある人
・雇用期間が2か月以内であっても、雇用契約書等においてその契約が更新され
る場合がある旨の明示や、更新により2か月を超えて雇用された実績がある場
合を含みます。
⑤ 学生ではない
・夜間学生や休学中の学生は加入対象
(2)2024年10月からの適用拡大
従業員数51人~100人の事業所で、上記3(1)の②から⑤と同様の条件で使用されている人(従業員数については(1)①と同様の考え方で100人を50人に)

改正育児介護休業法について

Q 改正育児介護休業法の育児休業等に係わる制度の改正点について教えて下さい。

A 育児休業等に係わる制度の主な改正内容

1 令和4年4月1日施行内容

(1)個別の周知・意向確認の義務化

本人又は配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対して、以下の周知・意向確認を個別に行わなければならない。

① 周知事項

ア育児休業、出生時育児休業(以降「産後パパ育休」という。)に関する制度

イ育児休業、産後パパ育休の申出先

ウ育児休業給付に関すること

エ労働者が、育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取り扱い

② 個別周知・意向確認の方法(ウ、エは労働者が希望した場合のみ)

ア面談(オンライン面談可)、イ書面交付(郵送可)、ウFAX、エ電子メール

(2)育児休業を取得しやすい雇用環境整備の義務化

育児休業と産後パパ育休の申し出が円滑に行われるようにするため、事業主は全従業員に対して、以下のいずれかの措置を講じなければならない。

①育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施

②育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備等(相談窓口の設置)

③自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供

④自社の労働者へ育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知

(3)有期雇用労働者の育児休業取得要件の緩和(就業規則等の見直し)

有期雇用労働者の育児休業(介護休業も同様)取得要件について、①「同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること」、②「子が1歳6か月に達する日までに労働契約(更新される場合は更新後のもの)の期間が満了することが明らかなこと」のうち、①の要件を廃止。ただし、労使協定の締結により、①の要件を残すことは可能

(4)育児休業等を理由とする不利益取扱い禁止の追加(就業規則等の見直し)

妊娠・出産の申出をしたこと、産後パパ育休の申出・取得、産後パパ育休期間中の就業の申出・同意しなかったこと等を理由とする不利益な取扱いを禁止

 

2 令和4年10月1日施行内容

産後パパ育休と育児休業の概要(改正育児・介護休業法) 赤字は新設・改正部分)

  (1)産後パパ育休(新設) (2)育児休業
対象期間

取得可能日数

子の出生後8週間以内に、4週間(28日)まで取得可能 原則、子が1歳(最長2歳)まで
申出期限 原則、休業の2週間前までだが例外あり 原則、1か月前まで
分割取得 分割して2回取得可能(初めにまとめて申し出ることが必要) 分割して2回取得可能(取得の際に申出)
休業中の就業 労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で休業中に就業することが可能 原則、就業不可

 

1歳以降の延長   休業開始日の柔軟化
1歳以降の再取得   特別な事情がある場合に限り再取得可能

(1)産後パパ育休について(就業規則等の見直し)

①子の出生後8週以内の期間に、4週間(28日)まで2回分割して取得可能

②取得可能対象者

ア 育児のために休業することを希望する男性労働者(日雇労働者を除く)

有期雇用労働者は、出生の日から起算して8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日までに、その労働契約が満了することが明らかでない者

イ 労使協定の締結により対象外にできる労働者(育児休業対象除外者と同様)

・雇用された期間が1年未満の者

・申出後8週間以内に雇用関係が終了する者

・週の所定労働日数が2日以下の者

③産後パパ育休申出期限の例外(労使協定の締結)

原則、休業の2週間前だが、労使協定を締結し、一定の措置(1(2)の措置や育休取得が円滑に行われるための業務配分や人員配置の措置を2つ以上、取得に関する定量的な目標設定など)を講じた場合は、1か月以内の期間を申出の期限と定めることが可能となる。

④ 産後パパ育休中に就業させることができる日数の範囲(労使協定の締結)

ア 育休期間の所定労働日数の2分の1以下(1日未満の端数は切り捨て)

イ 育休期間における所定労働時間の合計の2分の1以下

ウ 育休開始予定日または育休終了予定日を就業日とする場合は、当該日の所定労働時間数に満たないものであること。

(2)育児休業について(就業規則等の見直し)

①子が1歳に達するまでの育児休業の取得は理由を問わず1人につき2回まで分割取得可能

②1歳(1歳6か月)以降の育児休業開始日について、子が1歳に達する日の翌日(子が1

歳6か月に達する日の翌日)に限定されていたが、夫婦交代で育児休業を取得する場合、「その配偶者の育児休業の終了予定日の翌日以前の日」を育児休業開始予定日とできるようになる。

③1歳以降の育児休業(子が1歳から1歳6か月までの休業、1歳6か月から2歳までの休業)が、他の子についての産前・産後休業、産後パパ育休、介護休業又は新たな育児休業の開始により育児休業が終了した場合で、産休等の対象だった子等が死亡等したときは、再度育児休業を取得できる。

(3)雇用保険の育児休業給付金について(雇用保険法)

①育児休業給付金の被保険者期間の特例(令和3年9月1日施行済)

育児休業給付金の支給には、育児休業開始前2年間に12か月以上の雇用保険被保険者期間が必要だったが、出産日によってこの要件を満たさない場合でも、産前休業開始日等の前2年間に12か月以上の被保険者期間がある場合には、要件を満たすものとされた。

②産後パパ育休中に受給できる育児休業給付金の新設

ア 受給要件

・育休開始日前2年間に、賃金支払い基礎日数が11日以上ある。(ない場合は就業して いる時間数が80時間以上の完全月が12月以上ある。)

・育休期間中の就業日数が最大10日(10日を超える場合は就業している時間数が80時間)以下であること。

イ 支給額

・育休開始時賃金日額(原則、休業開始前6か月間の賃金を180で除した額)×支給日数×67%(育児休業給付支給率67%の上限日数である180日に通算)

ウ 申請期間

出生日の8週間後の翌日から起算して2か月後の月末まで(2回分割して取得した場合は、1回にまとめて申請)

(4)育児休業中の社会保険料の免除(健康保険法、厚生年金保険法、船員保険法)

①育児休業を開始した日の属する月からその休業が終了する月の前日までの月の保険料免除

②育児休業等を開始した日の属する月とその育児休業が終了する日の翌日が属する月が同一であり、かつ当該月における育児休業等の日数が14日以上である場合は、その月の保険

料を免除。なお、賞与の社会保険料は、1か月を超える場合に限り免除。(追加)

 

3 令和5年4月1日施行内容

(1)育児休業の取得状況の公表の義務付け

常時雇用する労働者の数が1,001人以上の事業主は、毎年少なくとも1回以上、育児休業の取得状況の公表をしなければならない。

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